私たちの身の回りは、電気、機械の別なく非常に高度な技術を用いた製品であふれています。 しかし、携帯電話のように今ではなくてはならない物、当たり前のように使っている物、あるいはパソコンのように仕事場に欠く事のできない物、それらの事をどれだけ知っているでしょうか。 そこで特に電気に関して焦点を合わせ、その基礎知識の一端をできるだけ分かり易く紹介してみたいと思います
電気とは何ぞや?電気を理解するには『物』を理解する!「電流」は存在しない?
レールには電気が流れている?オームの法則電流・磁界・電磁力
レコードのお話 日本に50Hzと60Hzが混在する訳!真空管の構造と動作原理
直流と交流抵抗 ・ コイル ・ コンデンサ東京タワーとテレビアンテナ
整流回路半導体電界とは?
電磁誘導電波はどうやって飛んでいるの?電磁波の性質と分類
電流は電線のどこを流れているの?感電って何が危険なの?電波発射の原理
音はどのように電波で運ばれるの?デジタルと2進数~16進数サンプリング(標本化)
CD/DVDの原理と構造BIOSとは中骨作用
ブラウン管テレビの仕組みと技術の進化液晶ディスプレイ 「プラズマ」とプラズマ・ディスプレイ
蛍光灯のしくみテレビチャンネルよもやま話 LED照明はちらつくの?
CD製造技術の進化


電気とは何ぞや?

今日では電気の正体は金属元素の自由電子とされています。 この自由電子が移動することによって電気エネルギーというものが 発生するのです。

電流の研究が始まったころ、電流は+の電気をおびた粒子の流れだと思われていました。 電流の正体が電子(-の電気をおびた 粒子)の流れだということが発見されても、それまでの電気の法則を活用するために、今でも決まり事として「電流は+から-に流れ る」と言うことにしています。




電気を理解するには『物』を理解する!

まず、電気を理解するには『物とは何か?』を分からないといけません。 『物』ってなんでしょう?

『物』とは分子で出来ています。 分子とはその『物』を形成する上での最少構成単位です。 たとえば「水」の分子は「水素分子」と「酸素分子」で出 来ていますが、水の分子を水素分子と酸素分子に分けてしまうと水は水でなくなってしまいます。

分子には沢山の種類があります。 それらの分子は更に小さく分けていくと何種類かの原子で出来ています。

この世の物はほとんど全て分子で出来ていますが、その分子は原子で出来ているので、この世の物のほとんど全てが原子で出来ていることになります。  そして、その原子の組み合わせによって色んな種類の分子が出来ているのです。

原子を更に分けると原子核と電子に分かれ、電子は原子核の周りを回っています。 原子核は中性子と陽子で構成され、その陽子(プラス)と原子 核の周りを回っている電子(マイナス)は数が同じでつりあっています。

この世の物を作っている原子は沢山種類がありますが、陽子と中性子と電子の数が違うだけなのです。 多くの物質では陽子も電子も数は一定で、 電子は原子核の周囲を回転するだけですが、何かの拍子に軌道を離れる場合があります。
この軌道を離れた電子を自由電子といいます

電気とはこの自由電子の動きをいうのです。 もう少し突っ込んでいうと、例えば電線の中を自由電子が移動すれば、それが電気の流れ(電流)と なるのです。 電流とは電子の移動なのです。




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「電流」は存在しない?

皆さんは、電流はプラスからマイナスへ流れるものと覚えていませんか?
学校でもそのように習ってきたと思いますし、確かに間違いではありません。

では、何か問題があるのでしょうか。

ここでの結論は、既に冒頭の「電気とは何ぞや?」でサラリと書いてしまったのですが、あらためてもう少し詳しく説明したいと思います。

実は、「電流」というものは実態の無いものなのです。 「え~」と思うかもしれませんがそうなんです。 では「電流」とは何なのでしょうか。

電流とは電荷の流れの事で、電荷は電子(負の電荷)や陽子(正の電荷)が担っています。 通常、陽子は原子の中にあり、電子に 比べて非常に重いので、ほとんど移動しないことから、電荷の移動を担うのはほとんど電子になります。 従って、電線などに流れる 電荷は電子の大群が移動することになります。

電子は、マイナスからプラスへ移動しますが、この逆の流れを「電流」と定義しているのです。 ですから電流の正体は「電子流」であ り、マイナスからプラスへ移動するものです。

厳密な話をすると電子というのは、いうならば「物体」の一種ですが、電流は<電荷が移動する>という「現象」の一種です。電荷が移動するなら何でも電流といいますので、電子の流れだと限定する必要はありません。 希硫酸に電流を流したら「水素イオン」が移動しますが、水素イオンはプラスの電荷をもつ物体です。 当然、電子と違って、《電流と同じ方向に》流れます。素粒子実験では陽子や陽電子などいろいろな粒子の流れをつくって実験しますし、半導体では(本当は電子の移動なのですが)正孔というプラスの電荷をもつ「モノ」の流れを考えます。 これらの事から、「電流とは電子流の逆の流れである」と定義している考え方は、あくまでも通常の電子回路における「一般論」であると理解して下さい。

ここでは、出来るだけ分かり易く説明しようと思っていますが、どうしても専門用語が出てきます。 ひとつひとつ 説明していくと「電気理論」を始めから勉強する事になるので、何となくそう言うものなんだという概念を持ってもらえればいいと思います。




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レールには電気が流れている!?

電車は架線から電気を得て、使った後はレールに電気を流しています。でも、なぜ我々は踏切でレールを踏んでも感電しないのでしょうか?

答は簡単です。レールはあらゆるところで大地と接触しています(抵抗値は0)。また、レールの抵抗は非常に小さいので、もし数千アンペアの電流が流れてもレールの電位は僅かに上昇するのみです。 要するにレールで発生する電圧降下がほぼ「0」であるという事が言えます。そのため、大地とレールの電位差は、ほぼ「0V」となり、我々は感電しないのです。

次は、基本中の基本である「オームの法則」を紹介します。 電圧、電流、抵抗の関係が分かれば、より理解し易くなると思います。



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オームの法則

あまり数式などを書くつもりはないのですが、基本である「オームの法則」を抜きにしては電気を理解することが出来ないので、これだけは是非覚えてもらいたいと思います。
実際の回路では「抵抗」の部分が「インピーダンス」や「リアクタンス」と言う表現に変わることがあります。これは、回路に供給される電気が交流か直流か、あるいは抵抗を示すものがコイルかコンデンサーかによっても変わってきます。

とりあえず難しい話は抜きにして、上の式を覚えて下さい。 見てわかる通り、電流と抵抗値をかけた値が電圧になります。レールの所で書いたように仮にレールの抵抗値、レールと大地との接触抵抗値が「0」Ωだとすれば、どんなに大きな電流が流れても「0」にいくらかけても「0」であるように電圧は発生しません。

電圧、電流、抵抗の関係を現す場合、水にたとえて説明されることが多いようです。ここでも同様に水にたとえて説明したいと思います。
図のように、貯水槽の高さ(高低差)が電圧に相当し、水の流れが電流、水路の太さが抵抗にあたります。 水路の太さが細いと抵抗が大きくなって水(電流)は流れにくくなり、逆に、太くなると流れ易くなります。



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電流・磁界・電磁力


電流による磁界の発生

① 図のように、奥から手前に向かって導体に電流を流すと電流を中心とした、反時計回りの同心円状の磁界が発生します。

① 電磁力の干渉
永久磁石の磁界と、電流によって発生した磁界は互いに影響を及ぼし合います。 磁力線の向きが同じところでは磁力は強まり、反対方向 を向いているところでは相殺されて磁力が弱まります。

② 電磁力とは
永久磁石では磁束は常にN極からS極に向かっています。 この永久磁石で生じた磁界(磁束の集まり)の中に導体(熱・電気を伝えやすい 物体)をおき、電流を流すと力が発生します。 この磁界と電流の相互作用で発生した力のことを「電磁力」と言います。

③ 回転力の発生
永久磁石の磁界中に電流の流れる向きが相反する方向の2本の導体を置いた時、電磁力の作用する方向もそれぞれ反対方向に作用します。 この2本の導体を回転軸を中心に配置することによって、回転力が発生します。(モーター)


電磁誘導

前項では、磁界中の導体に電流を流すとその導体がある方向に力を受ける「電磁力」の説明をしましたが、電磁誘導とはその逆で、磁界中に置いてある導体に力を加えて動かすと その導体に電流が流れる現象をいいます。これが発電機の原理です。

今までの説明から想像できると思いますが、モーターと発電機は相反する動作をするもので、電流を流して回転するモーターに対して、逆にモーターに力を加えて回転させると電流が流れ発電機となります。



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レコードのお話

若い人の中には、レコードを見た事も聞いた事もない方がいると思いますが、昭和58年(1983年)にCDソフトが世に出回るまで音楽配信で一時代を築いたメディアです。ここでは、そのレコードに関する 技術の一部を簡単に紹介したいと思います。

レコードの原理

レコード(record)とは、円盤状の樹脂等に凹凸を刻むことで音楽などの音響情報を記録したメディアの一種です。
音の再生にはレコードプレーヤーと針を用います。レコードの回転とともに、そのレコードに刻まれた溝の凹凸が針に振動を与え、それが電気信号に変換さ れて増幅回路を通してスピーカーから音が発せられることになります。 レコードプレーヤーの登場以前は蓄音機で再生されました。
蓄音器は増幅器を使わず、聴診器のようなイアホンを用いて鉄針の擦過音を直接聞くものでした。

レコード原盤の作成
機械式吹き込み
SPレコード初期の頃は、集音器(ラッパ)の奥に取り付けられた振動板で直接針を振動させてレコード原盤にカッティングする「機械式吹き込み」(acoustic recording) で録音された。

電気録音
1925年にマイクロフォンをつかってアンプで音声信号を電気的に増幅し、カッターヘッドを電気駆動してワックス盤にカッティングする「電気録音」が実用化されると、各社ともにいっせいに電気録音に移行した。 電気録音は、再生音のダイナミックレンジ、楽器間の音の分離に優れていただけでなく、演奏者が普段どおりの楽器と立ち位置で演奏できる点で圧倒的に優れており、録音史上の一大革命であった。
RIAA特性

レコードは、樹脂盤の溝に信号の波形を刻み込み、それをピックアップで拾うことによって、オーディオ信号を記録したり再生したりする技術で、そのルーツはエジソンまで溯ります。

さて、オーディオ信号をいきなりカッターで盤面にカッティングすると、周波数が低いほど溝に刻まれた波形の振幅は大きくなります。 この現象は、スピーカーでも起こっています。 同じ音量では、高い周波数よりも低い周波数の方がスピーカのコーン紙の振幅は大きくなりますね。このままでは、レコードの狭い幅の溝の中に効率的にオーディオ信号を詰め込むことができません。

そこで、レコードのカッティングでは、周波数の高低にかかわらず振幅がほぼ一定となるように、低域下降・高域上昇となるようにカッティング時の周波数特性に手を加えています。 しかし、レコードを再生する時、ピックアップで拾ったオーディオ信号をそのままプリアンプで増幅したのでは、低域下降・高域上昇となったままの「キンキン」した音が出て来てしまいます。

そこで、プリアンプでは、低域上昇・高域下降というカッティング時と正反対の周波数特性を持った増幅回路を通してやります。この一連の周波数操作のことを、イコライジングといいます。レコードが普及しはじめた当初は、実にさまざまなイコライジングの規格がありましたが、LP時代にはいってから、RIAAという規格でほぼ統一されました。


ピックアップの構造

レコードの溝をなぞる針が取り付けられている部分をピックアップといいます。 前に説明した電磁力を利用したもので、溝の凹凸が針に振動を与え、それを電気信号に変換する部分です。要するに、小さな発電機がついているものと思って下さい。

電蓄(プレーヤーとモノラルアンプ一体型)が出たころは圧電素子を使ったセラミックのピックアップでした。 これは出力電圧が数百mVと高く、また前述したRIAAのイコライザー特性に近い周波数特性を持っているため、イコライザーアンプを使わなくても音楽を聴けるものでした。

その後Hi-Fi(High Fidelity)ステレオが普及するにつれ、下記のMM型とMC型が主流となり繊細で高音質な音の再現が可能となりました。



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日本に50Hzと60Hzが混在する訳!

商用電源周波数相違の理由

明治時代に関東では東京電燈が50Hz仕様のドイツ・AEG製発電機を、関西では東京より少し遅れて大阪電燈が60Hz仕様のアメリカ・GE製発電機を採用し、これを中心として次第に東日本、西日本の周波数が統一されていった。


50Hzと60Hzの境界線

一般に糸魚川静岡構造線が境界とされ、東側が50Hz西側が60Hzである。
 ※ 糸魚川静岡構造線 ・ ・ ・ 親不知(糸魚川市)から諏訪湖を通って、安倍川(静岡市)に至る大断層線である。


家電製品への影響は?

家電製品(電気機器)には、50Hzか60Hz又は50Hz/60Hz、50Hz-60Hzなどの表示がされています。 どちらか一方の表示の家電製品に関しては、その対応地区でしか使用出来ません。基本的に、電熱線や電波を利用した製品はそのままどちらの地区でも使用出来ますが、モーターを利用した製品や安定器を利用した照明器具、電気時計などは対応地区外では使用出来ない場合があります。

最近では、電源周波数によって切り替え、調整が必要な電気機器は少なくなりました。  たとえば、オーディオに趣味をもたれている方で、アナログレコードのプレーヤーをご使用の場合、以前は電源周波数に同期して動作するシンクロナスモーターと呼ばれるモーターを使用した機種が大半でしたので、キャプスタンと呼ばれる部品の交換(大抵50HZ、60HZ、それぞれのものが付属していて、地域に応じたものを取り付けていました)、内蔵のコンデンサ容量の切り替え、(大抵スイッチで切り替え可能)などが必要でした。

70年代後半以降の製品はモーターの回転数を電子回路で制御するサーボモーター使用の機種が主流となったので、どちらの電源周波数でも使用可能になりました。  アンプ、CD、MDなどは大抵電源周波数に関係なく使用可能です。

他の機器では、デジタルクロック内蔵ラジオなどは 電源周波数切り替えスイッチが付いている場合がほとんどなので、簡単に切り替え可能です。  蛍光灯器具で、最近主流のインバータ方式は、高周波に変換して点灯しているので、電源周波数に関係なく使用可能ですが、以前多く使用されていたグロースタータ式(安定機方式)は、周波数の異なる地域ではそのまま使用できません。(切り替えスイッチが付いている場合は使用可能)

※ インバーター : 直流から交流に変換すること
※ コンバーター : 交流から直流に変換すること



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真空管の構造と動作原理

大規模集積回路(LSI)にその座を奪われ、現在では殆どその姿を見ることの出来ない真空管ですが、電子回路の基本動作を理解 するうえで半導体よりも大変分かり易いので、ここで紹介したいと思います。

真空管の種類

真空管は極数により、二極管、三極管、四極管(ビーム管)、五極管があり、形状から大きく分けてST管、GT管、MT管、があります。また構造により直熱型と傍熱型の2種類があります。 テレビに使われているブラウン管も真空管ですがここでは取り扱わず、別の機会にご紹介したいと思います。

真空管の構造と原理

真空管は、ガラス管の中にヒーター、カソード、グリッド、プレート等の各電極を配置し真空にしたものです。真空にする理由は高温となるヒーター(フィラメント)の酸化を防止するためです。

三極管を例に説明しますと、まずヒーターで暖められたカソードから熱電子(自由電子)が発生します。 この時プレートにプラスの電圧をかけると、マイナスの電荷を持つ熱電子が引きつけられ、電流が流れます。途中、グリッドと呼ばれる格子状(金属の網)の電極を通過します。ここに小さなマイナスの電圧をかけると、カソードから出た熱電子の一部が反発し、通過できない電子が出てきます。

このグリッドにかかる電圧は、少し変化させただけでカソードからプレートへ流れる熱電子(逆の流れを電流という)の量を大きく変化させる事ができます。 プレートには負荷抵抗(または出力トランス)が接続され電圧の変化として取り出すことが出来ます。小さな電圧の変化を大きな電圧の変化として取り出す事が出来る訳ですから、ここで「増幅」されたという事が分かると思います。

グリッドには通常マイナスの電圧をかけ、この電圧をバイアス電圧と呼びます。グリッドにプラスの電圧をかけると、本来プレートに飛んで行くべき電子がグリッドに流れ込んでしまい十分なプレート電流が流れず、また変化も小さくなります。

このグリッドにはバイアス電圧をかけたうえで、増幅する信号(MDやCD等の出力)を入力します。あくまでもマイナスの電圧の範囲内で音声信号を入力することにより、グリッドに電流を流すことなくプレート側から大きな電流変化(負荷抵抗で電圧を得る)を得ることが出来ます。

増幅作用
グリッドにはバイアス電圧というマイナスの電圧をかけて使うと書きました。この電圧を負の方向ににどんどん大きくしていくと、ある時点でカソードから出た電子はプレートに行き着く事ができなくなり、これを「カットオフ」と言います。
これを踏まえて増幅作用を説明します。

使用する球によってかなり値は異なりますが、グリッドのカットオフ電圧は-数ボルトから-数十ボルト、プレート電圧は+数百ボルトになります。

この例では、入力「10V」の変化に対して出力「100V」の変化が得られるため、増幅度は「100V÷10V」=10倍という事になります。

実際の増幅度はこれほど単純ではなく、様々な要素を考慮して計算します。あくまでも「増幅作用」のイメージをつかんで貰うための参考例です。

通常、グリッドバイアス電圧は0Vからカットオフ電圧の間に適正な値を設定します。適正な値とは、プレート電流の出力特性が出来るだけ直線的に得られる部分を言います。出力特性が直線に近ければ近いほど入力信号の変化に忠実な変化が得られるという事になります。



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直流と交流
電気は大別すると、直流(DC:Direct Current)と交流(AC:Alternating Current)に二分されます。

直流とは
直流はバッテリーや乾電池に代表され、時間が変化しても電圧は一定で電流も一方向のみに流れます。


交流とは
電圧が時間と共に変化し、周期的に電流の大きさと流れる方向が切りかわります。 家庭で利用されている商用電源は100Vの交 流(単相正弦波交流)です。特徴としてトランスを使って電圧を変えることができます。また周波数が高くなると電波として利用することができます。

100Vってどこ?
交流の電圧は刻々変化しています。 では変化している部分のどこが100Vなのでしょうか。オシロスコープは信号をリアルタイムの波形として見るため「実効値」を見ることはできず、「瞬間値」とか「最大値」を見るようになっています。 ですからオシロスコープなどで観測する「商用100V」の電圧のピークの高さは、実は100Vではなく最大値である「141V」なのです。 私たちが普段「100V」と呼んでいるのは「実効値」というもので、その値を波形観測することはできません。

実効値とは
交流が行なう仕事を直流が行う仕事と同じとして、交流をエネルギー的に等価な直流電圧に置き換え、その時の電圧値を「実効値」と定義しています。交流電気に関する値は、特にことわりのない限り実効値で表現されています。

もう少し簡単な言い方をしますと、直流100Vと交流141V(ピーク電圧)は同じ仕事をします。 この時の交流を「実効値100V」の交流と言い、 通常、実効値を省略して交流「100V」と言っています。



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抵抗・コイル・コンデンサー

抵抗とは
抵抗は電流を流しにくくする働きがあり、意図した電位を作る時に使用します。 厳密には周波数特性(周波数によって抵抗値が変化する)を持っていますので、取り扱う周波数や電力によって抵抗器の種類を使い分けます。
一般的な安い抵抗(カーボン抵抗)は内部でコイルと同じ構造を取っている部分があり、高周波になるとインダクタンス成分(コイルの特性)が無視できなくなるので、精密な値を求めるにはより高価な金属皮膜抵抗を使うことになります。 現在市販の電子機器は非常に小さな体積のチップ抵抗が使われるようになっています。

コイルとは
導体をグルグル巻いたものをコイルといい、直流電流は通しやすく交流電流は通しにくい性質があります。 もちろん、電気を通すと電磁石 になるので、磁気を周囲に放出して電子回路に悪影響を与えるため、金属のカバーで覆われたタイプのものがあります。
具体的な使用例は、コンデンサと組み合わせたフィルタ回路や、交流を直流にする整流回路(リップル除去フィルタ)があります。

コンデンサとは
コンデンサは、絶縁体(誘電体)を導体(電極)ではさんだ構造をしており、電気を溜めることができる部品です。またコンデンサは交流電流は 通すが直流は通さない性質があり、その性質を積極的に応用しています。
具体的には、直流電圧がかかっている中から交流(信号)だけを伝達したい時に使用するカップリングコンデンサとしての使用等があります。
コンデンサはコイルと同様周波数特性をもっており、高周波電流は伝えやすく、直流に近い低周波は伝えにくい性質があるため、周波数特性を利用したフィルタ回路等に使われます。静電容量(電気を溜め込める量)が小さいほど高周波を伝えやすく、大きな容量程、低い周波数を伝えやすくなります。電源回路にある大きな電解コンデンサ(直流に変換後の交流成分であるリップル除去に使用)は50~60Hz程度の低周波交流に対応したものであるため、必然的に大きな値が必要になります。






実用的で最も簡単な構造のコンデンサは、バリコン(バリアブル・コンデンサ)と呼ばれたラジオのチューニングに使われた部品です。これは空気自体 が絶縁体であるため、単に金属板を向かい合わせに配置したものです。

高周波回路での影響
皆さんは、電子部品が組み込まれたプリント基板を見たことがあるでしょうか。プリント基板は厚さ1~2mmの絶縁板(ベークライト、エポキシ樹脂など電気を通さない材料)に銅箔で配線を張り付けた構造をしています。銅箔の厚さは30~40μmのものが一般的です。

ここで問題になってくるのが基板上に配線(プリント)されたライン間の静電容量です。先に説明したように、絶縁体をはさんで導体があるとそこに 静電容量が発生します。 コンデンサは周波数が高いほど電流が流れやすくなりますから、テレビ、無線、携帯電話などのように高い周波数帯で使用する機器にとっては無視できない存在となってきます。



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東京タワーとテレビアンテナ

東京電波塔の概要
日本電波塔株式会社が運営しており、東京都港区芝公園にあります。 1958年(昭和33年)に建造、地上333mは当時世界一の建造物でした。昭和33年営業開始、34年各局電波発射を開始しました。

東京ではテレビアンテナが2本必要だった!
昭和30年当時、東京でテレビ放送をしていたのは、NHK、日本テレビ、TBSでした。 まだ、東京タワーに電波塔が統一されるまでは、各社自社鉄塔を建てテレビ放送を行っていました。

昭和45年当時は、ほとんどの放送局は東京タワーを使用していましたが、日本テレビだけは麹町(千代田区二番町)から電波を発射していました。東京タワーと麹町(中央線四谷駅近く)が直線上に重なる地域を除いてアンテナを2本立て、それぞれの方向に向けなければ全チャンネルを見ることができませんでした。

東京電波塔の役割
東京のシンボル、観光名所として知られていますが、本来の役割は総合電波塔をはじめ公共的な性格を持っています。現在は、関東エリアの各種放送電波はもとより、大規模地震を想定し、東京圏(東京駅を中心とした100Km圏内)を運行する列車の防護のために、緊急停止信号を発射するJR東日本の防護無線用アンテナ(災害用非常通報装置)が設置されています。

また、高さを生かして大気汚染の調査のため東京環境局の風向風速計、温度計、硫黄酸化物測定器などが高高度に取り付けられています。

東京スカイツリー
2012年春予定の開業に向け、2008年7月より建設工事がスタートしました。場所は東京都墨田区向島で隅田川をはさんで浅草の目の前になります。高さは当初の610.6mから変更となって634m、第1展望台350m、第2展望台450mの巨大鉄塔となり電波塔としては世界一となります。

関東地方の地上デジタル放送は2003年12月より放送が開始されていますが、都心部に林立する200m級超高層ビルの影響を受けにく600m級の新タワーからの送信が望まれています。 新タワーに移行すると、地上デジタル放送の送信高は現在の約2倍となるので、年々増加する超高層ビルの影響が低減できるとともに、2006年4月に開始された携帯端末向けのデジタル放送サービス「ワンセグ」のエリアの拡大も期待されています。また、災害時等の防災機能のタワーとしての役割も期待されています。
2011年1月15日現在の東京スカイツリー(既に540mを超えています)
開業後(2012年6月18日現在)の東京スカイツリー



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整流回路

整流とは
整流とは、交流を直流に直すことをいいます。 整流回路には半波整流と全波整流があり、電圧の取り出し方によって倍電圧整流回路(2倍、3倍、4倍)などがあります。下図に2極管を使った整流回路の一例を紹介しますが、この整流波形は図の平滑コンデンサがない場合の波形です。コンデンサが機能した状態では、どちらの整流回路でも平坦で実用的な直流波形が得られます。

半波整流回路
2極管はプレートにプラスの電圧がかかった時のみ導通するので、正の半サイクルの間だけ電流が流れ、ピーク電圧141Vまでコンデンサが充電されます。

全波整流回路
電源トランス二次側の中間にタップを設け、そこをグランドとします。トランス両端の位相は180度異なっており、図にある上下の整流管それぞれにプラスの電圧がかかるタイミングで導通するので、半波整流では使われなかった残りの半サイクルを無駄なく利用できます。
出力波形は完全な直流ではなく、脈流と呼ばれる交流成分が多く残った波形になります。この後、抵抗、またはコイル(チョークコイル) とコンデンサを組み合わせたフィルター回路(平滑回路)を通してリップル(交流成分)を除去し、きれいな直流電圧を得ます。

整流出力電圧
整流管を出た出力電圧は141Vで、コンデンサもその電圧まで充電されます。したがって、交流100Vの整流電圧は直流141Vとなり、コンデンサの耐圧もそれなりに考慮しなければなりません。





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半導体とは?

半導体の特性
金や銀、銅、アルミニウム、鉄など、金属系の物質はよく電気を通します。これらを導体と呼び、逆に電気を通さないゴムや、ガラス、セラミック、油などを絶縁体と言います。 そして、精製したシリコンなどのように方向によって電気を通したり通さなかったりする特性を示す物質を半導体と呼んでいます。

導体は温度が高くなると抵抗が増加しますが(正抵抗)、半導体は逆に減少する(負性抵抗)性質があります。 現在では、ゲルマニウムやシリコンなどの他に、ガリウム砒素やインジウム燐などの化合物半導体や、最近では分子レベルの有機物半導体も研究されています。

半導体の中の電子
実際の純粋なゲルマニウムやシリコンの結晶は電子同士がしっかりと結合していて、自由に動き回れる電子がほとんどありません。そのため、電圧をかけてもほとんど電気は流れないのです。 ところが、ここに電子を余計に持ったリンなどの不純物を微量入れると、結晶の中を自由に動き回る電子ができることで、導体のような性質に変わります。電子を余計に持った不純物が入ったものをN(negative)型半導体と言い、逆に電子の少ないホウ素などの不純物を混ぜたものをP(positive)型半導体と言います。

P型半導体では電子の代わりに、電子の欠乏している穴(正孔)が、あたかも+の電子が動き回るように見えます。このN型とP型を接合させると、電界の向きによって電気が流れたり、流れなかったりする、いわゆる整流作用が現れます

トランジスタと増幅
ベル研究所のショックレーが考案した接合トランジスタの理論はN型の半導体にP型の薄い層を作りこんで、そのP型層に電子の流れをコントロールする役割を担わせようとするものでした。 もしN型だけとすると、単に電気を通す導体と同じですが、ショックレーの考えでは、そこについ立のようなハードルを設けて、ハードルを高くしたり低くしたりして、電子の流れをコントロールしようというものでした。薄いP型層がハードルの役目をし、ほんのわずかな信号電流で、それに比例する出力を得られるようになっていたのです。

半導体の素材
ゲルマニウムやシリコンだけを扱っていた時期は、半導体とは元素の周期律表の第14族に属するごく少数の元素を指して言っていました。しかし、化合物半導体や有機物半導体などが研究されるに及んで、半導体は、ある特定の元素を指すのではなく、半導体の性質を示すあらゆる物質を指す言葉として使われるようになっています。半導体の性質とは、ある手段を用いることで、電子の流れを自由に制御できるということなのです。つまり、トランジスタの素材になるのであれば半導体と呼んでいいだろうというわけです。筑波大学の白川教授等(ノーベル化学賞)が発見した導電性ポリマーや、NECの飯島博士が発見したカーボンナノチューブなども、半導体の素材として使えることが知られ、世界中で研究されています。




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電界とは?

「電界」は、「電圧」がかかっているもののまわりに必ず発生します。プラスチックの下敷きをセーターなどでこすって頭に近づけると髪の毛が逆立つのは、静電気によって生じる「電界」によるものです。 通常(+)と(-)の電気があると、この間に電圧が生じて「電界」ができます。電気的には、電線などの導体に電圧がかかると、その周りに「電界」が発生します。 「電界」は送電線などの電力設備だけでなく、家庭電化製品の周りでも発生しています。電界の強さは、発生源から離れると急激に小さくなります。

「電流・磁界・電磁力」のところで説明したように、「磁界」は導体に電流が流れることによって発生しますが、「電界」は導体に電圧 がかかることによって発生します。 導体を流れる電流の影響は受けません。 また別の所で説明するつもりですが、「電界」は電波が飛んで行くために必要不可欠なものなので一応心に留めておいてください。





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電磁誘導

「電流・磁界・電磁力」の中で発電機に関連した電磁誘導の一部を紹介しました。ここで改めて紹介するとともに、補足説明したいと思います。

発電機の原理説明の中で、磁界中に置いてある導体に力を加えて動かすとその導体に電流が流れ、その現象を電磁誘導であると説明しました。ここで言う磁界とは直流電流により発生した磁界のことで時間変化しないものです。 その中で導体を動かすと電流が流れますよという説明でした。

そこで交流電流により発生する磁界について考えた時、電流も磁界も絶えず時間変化していることが分かると思います。

磁界が時間変化する中に導体を置くと、たとえ導体が静止していても電圧が発生して電流が流れます。磁界中の導体を動かさなくても磁界の方が動く(変化する)ので、相対的に考えて導体が動いたのと同様の結果が得られます。交流で電磁誘導作用を利用している代表的なものに「トランス」があります。






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電波はどうやって飛んでいるの?

私たちの身の回りを縦横無尽に飛び交っている電波とは、いったいどのように空間を伝わっているのでしょうか。電波の発射原理や電波の種類についてはまた別の機会にお話するとして、ここでは電波が空間を伝わっていく様子に的を絞って説明します。

電波とは
電波は電磁波の1種です。電磁波のうち、無線通信などに使われるものを電波と言っています。 我々が見ることができる光(可視光線)や目に見えないレントゲンのX線、赤外線や紫外線も電磁波の1種です。何が違うのかというと、周波数が違うのです。日本の電波法では、電磁波のうち3THzまでを電波と定義しています。

電波の伝わり方
説明を箇条書きで書いてみましたので、電波の伝わる概念図を参照しながら読み進んで下さい。

1 ダイポールアンテナに高周波電圧(信号)を入力すると高周波電流が流れます。
2 アンテナに高周波電流が流れると、同心円上に磁界が発生します。
3 アンテナに発生した磁界を妨げる方向に、磁界と直交する新たな電界が発生します。
4 その電界を妨げる方向に、電界と直交する新たな磁界が発生します。 このように磁界と電界の
  発生を繰り返し、その連鎖によって空間を伝わっていきます。
5 この図では右方向に伝わるように書いてありますが、1本のダイポールアンテナから発射される
  電波は無指向性で360度全方位に伝わります。
   ※ 垂直ダイポールでは水平方向が無指向性で垂直方向は8の字パターンです
6 テレビアンテナのように、アンテナ素子を複数個並べることによって指向性が生まれ、特定方向の
  送受信レベルが高くなります。(アンテナ素子の軸方向が水平なものは水平偏波方式です。)




偏波とは
皆さんは垂直偏波とか水平偏波という言葉を耳にしたことはないでしょうか。図のように電波は磁界と電界が直交していますが、偏波とはこの電界の振動方向が地面を基準にして垂直なのか水平なのかということを言います。(この図は垂直偏波です)
注:ダイポールアンテナと電界振動面は平行である
テレビアンテナを見るとほとんどが水平方向にダイポールアンテナが並んでいると思いますが、これはテレビ放送が水平偏波方式を取っているから なのです。ちなみに、携帯電話は垂直偏波方式をとっています。



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電磁波の性質と種類

電磁波の性質
 ・ 光も電波も電磁波です。
 ・ 電波は光速で進みます。(物質中だと遅くなります。)
 ・ 高い周波数ほど直進します。また伝えられる情報量が多くなります。
 ・ 低い周波数では、直進性が弱くなります。(多少の障害物は越えていきます。)
 ・ 光や赤外線などと同様に電波も反射します。
 ・ 周波数によって反射可能な物質が違います。(光は鏡、電波は金属等)
 ・ 反射以外に、屈折、干渉、回折という性質があります。
 ・ 電波は水に弱い。(屈折・減衰) 電波のエネルギーが減少します。
   例 : 衛星放送は雨の日に見づらくなります
       高い周波数では、雨の時には遠くへ伝わりにくくなります。
  干渉
   干渉とは2つの波が重なって、強めあったり弱めあったりすることを言います。
   ですから、同じ電波が別々の場所から放射されていると干渉します。(強めあったり、弱めあったりする。)
   水に小石を2つ投げたときのことを思い出してみるといいと思います。
  回折 
   回折とは、要するに回り込むということです。 何か障害物があっても、回り込んで後ろまで到達します。

電磁波の分類
電波は電磁波ですが、電磁波にはX線や紫外線、可視光線、赤外線なども含まれています。電波は電磁波のうち赤外線よりも長い 波長のもので、電波法では「3,000GHz(3THz)以下の周波数の電磁波」と規定されています。

超低周波電磁波電波赤外線可視光線紫外線x線γ線
3kHz以下3kHz~3THz 3THz~380THz 380THz~790THz 790THz~10万TH 10万THz~1000万THz 1000万THz以上

電波の呼称周波数波長主な用途
超長波
VLF(Very Low Frequency)
3kHz~30kHz 100km~10km・・・
長波
LF(Low Frequency)
30kHz~300kHz 10km~1km 船舶・航空機ビーコン
中波
MF(Medium Frequency)
300kHz~3MHz 1km~100m AMラジオ・船舶通信・アマチュア無線
短波
HF(High Frequency)
3MHz~30MHz 100m~10m 短波放送・船舶・航空機通信・アマチュア無線
超短波
VHF(Very High Frequency)
30MHz~300MHz 10m~1m TV・FM放送・消防・警察無線・防災行政無線
極超短波
UHF(Ultra High Frequency)
300MHz~3GHz 1m~10cm 特定小電力無線、無線LAN・携帯電話・PHS、TV放送、
タクシー無線・アマチュア無線
マイクロ波
SHF(Super High Frequency)
3GHz~30GHz 10cm~1cm 衛星放送、レーダー
ミリ波
EHF(Extremely High Frequency)
30GHz~300GHz 1cm~1mm 衛星放送、電波天文、レーダー
サブミリ波 300GHz~3THz 1mm~0.1mm ・・・



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電流は電線のどこを流れているの?

電流は電線(導体)を通って流れていますが、電線のどのあたりを流れているのでしょうか。実は直流と交流とでは流れる場所に違いがあるのです。直流では、電線を輪切りにして見たとき、その断面を均一に流れています。電線の抵抗値は使用する金属固有の抵抗値と断面積によって決まります。しかし、高周波(交流)電流は下記の「表皮効果」によって流れる場所が電線の表面付近に集中します。

表皮効果
導体に交流を通じている場合、周波数が高くなるにつれて導体に流れる電流は表面付近に集まり、中心部ほど流れにくくなります。このような現象を電流の「表皮効果」といい、導体の中心付近を流れなくなる分交流抵抗は高くなります。 また交番する磁束が導体を通っているときもこれと同じ現象があり、この場合を磁束の表皮効果と呼んでいます。

表皮効果の応用
表皮効果の応用として、高周波焼入れがあります。焼入れしようとする金属をコイルの中に入れ、コイルに高周波電流(周波数数百KHz~10MHz)を流すと表面のみが過熱され、これを急冷すると表面だけが焼入れされ、表面は固くなり、摩耗に耐えるようになります。

高周波の電流を扱うときは一本の導線ではなく、細い導線を束ねて使用することによって表皮効果を少なくすると同時に、導線の無駄な部分をなくして抵抗の増加を少なくすることができます。また高価なケーブルでは導線に銀や金のメッキを施して導体表面の損失軽減を図っています。

なぜ中心付近が流れにくくなるのか?
導線に電流を流すとその直角方向に同心円の磁界が発生します。この磁界の密度は導体の中心部ほど強くなり、その磁界によって電流の流れを阻止する方向の逆起電力が発生するからです。




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感電って何が危険なの?

一度は目にした事があると思いますが、感電事故防止の看板には「高電圧危険」などと書かれています。高電圧は確かに危険ですが、でも電圧が高いから死ぬわけではありません。心臓が弱い人や何らかの心臓疾患を持っている人はショックで心臓が止まる可能性はありますが、一番問題になるのは体を流れる電流量です。 電圧の事を考えてみると、誰もが静電気によるスパークを体験したことがあるはずです。着る物を脱ぐときや自動車から降りるときなど「パチッ」と痛い目に遭いますよね! 大変不快な思いをしますが、この時の電圧は「3千V~1万V」位といわれています。それでも生きていられるのは流れる電流がほとんど「0」に近いくらい微弱だからです。

ブラウン管を使用したカラーテレビは、アノードに2万5千ボルトの高電圧がかかっています。修理の際に電源を切ってから作業しますが、しばしば回路内の静電容量に溜まった電気で感電し反射的に手が動いて怪我をすることはありますが、それでも死に至ることはありません。

電流の致死量は?
一般的には「100mA」が致死量であるといわれています。 漏電ブレーカなどは、30mA以上の漏れ電流が検出されるとしゃ断される構造になっていますが、この30mAという数値は、人体が耐えうることができる最大電流値です。その電流の3倍近くも流れるのは、相当危険であると予想されます。
また「50mA」で心臓の心室細動に影響を与えるといわれており、この値でも安全とは言えません。乾電池でも「2A」程度流せる能力がありますので、 乾電池だからといって侮る事は出来ません。

以下に感電の程度をまとめてみました。
 ■ 0~0.5mA
   電流を感知できない
 ■ 0.5~5mA
   ビリビリと痙攣を起こさない程度で、指や腕などに痛みを感じる
 ■ 5~30mA
   痙攣を起こし、接触状態から離れることが困難になる。呼吸困難や血圧上昇が起こる
 ■ 30~50mA
   強い痙攣を起こし、失神や血圧上昇をまねく。長時間の感電は死亡するケースもある。
 ■ 50mA以上
   強烈なショックを受け、心臓停止や火傷により死亡する可能性が極めて高くなる。

12Vのバッテリーは安全か!
前の説明でわかると思いますが安全とはいえません。人体の抵抗値は1KΩ~3KΩ位あるといわれていますので、平均では2KΩということになり ます。またバッテリーの「12V」はそれほど高い電圧ではないので通常は危険とは言えません。 しかし、自動車のバッテリーは電流容量が非常に大きいので、濡れた手で触って抵抗値が極端に小さくなると大変危険です。 「1.5V」の乾電池でも迂闊にショートでもさせようものなら、ビニールコードなどは一瞬で溶けてしまいますので、くれぐれも取扱いには気をつけて下さい。



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電波発射の原理
電波が空間を伝わる様子は前に説明した通りですので、ここではアンテナから電波が発射される原理について説明します。

アンテナに直流電源を接続した場合
図1では、直流電源を接続した時の磁界、電界の発生について説明します。
 1 回路中のスイッチを投入する前は、ダイポールアンテナの給電端および上下の終端は「0」電位です。
 2 スイッチを投入した瞬間、給電端と終端で電位差が発生し、電界が発生します。
 3 電位差が発生するということは電流が流れるということで、電流が流れるとともに磁界が発生します。
 4 給電端と終端との電位差は光速で伝わり、これらの動作は一瞬で終わってしまいます。
 5 アンテナの終端は開放されているので直流電流が流れ続けることはありませんが、流れ続けたと仮定した場合、
   磁界は発生しますが加速度運動(時間変化)がないため電界は発生しません。 したがって電波が出ることはありません。

アンテナに高周波電源を接続した場合
図2では、高周波電源を接続した場合の電波発射の様子を現しています。
 1 交流電圧の変化に伴って磁界や電界が発生しますが、やがて消滅します。
 2 電界の消滅する時間は「0」ではなく短い時間ですが収縮しながらやがて消滅して行きます。
 3 交流なので一度消滅した電界は次の瞬間逆方向に発生します。
 4 周波数を徐々に高くして行くと、電界の収縮がある時点から追いつかなくなり、消滅する前に次に発生した電界によって
   押し出されます。
 5 磁界も電界もそれぞれ反発しあう形で連鎖し、電波として空間を伝搬して行きます。




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音はどのように電波で運ばれるの?
テレビの電波では、映像信号、カラー信号、音声信号、その他の色々な信号が載って運ばれています。ここでは、その中の音声信号が運ばれる原理について説明します。その他の信号についても基本的に原理は同じです。

搬送波と変調
人間に聞こえる可聴周波数は約20Hz~20000Hz(20KHz)と言われています。 もちろん個人差もあるので多少の違いはあります。最近、若者が公園やコンビニでたむろするのを防ぐために、若者だけに聞こえるモスキート音なるものが話題になっていますね!

この可聴周波数の信号はそのままアンテナに接続しても電波として飛んでは行きません。信号がアンテナから電波として飛んで行くためには、その周波数が100KHz以上でなければなりません。

電波として飛ばせる周波数の信号を搬送波と言い、受信した時の周波数が即ち「チャンネル」いうことになります。搬送波は基準となる周波数の種信号を水晶発振器等で発振させ、その後逓倍器で何倍にもして必要な周波数の信号を作ります。また変調をかける前の搬送波は振幅レベルが一定の信号です。

この一定レベルにある搬送波を、飛ばしたい信号(音声信号等)で振幅に変化を与える事を「振幅変調」と言います。変調のはこのように振幅を変化 させる「振幅変調」と、搬送波の周波数そのものを変化させる「周波数変調」があります。 ラジオでいうと、前者がAMラジオで後者がFMラジオです。

ちょっと脱線しますが、AMとFMを聴き比べてみてどちらがいい音に聞こえますか。もちろんFMですよね! ステレオとモノラルの違いは別としてFMはノイズが載り難いからです。 様々な場所で発生するノイズは全て振幅のレベルを持っており、振幅変調では音声信号の上に更にノイズが重なってしまい、その影響をまともに受けることになります。

FM変調では周波数の変化から元の音声信号を取り出すシステムなので、たとえノイズで振幅に変化が加わっても何ら影響は受けないのです。


復調(検波)
搬送波に載って飛んできた電波から元の音声信号を取り出すことを変調の対義語という意味で「復調」といい、「検波」とも呼ばれています。検波の 流れは次の通りです。

 1 アンテナで受信した電波には様々な周波数(チャンネル)が混在しています。
 2 チューナーで目的の周波数に同調させてチャンネルを選択します。
  ※ コンデンサとコイルを並列に接続した並列共振回路では、特定の周波数で同調した時に電圧が最大となります。
 3 変調された波形はプラス側とマイナス側で線対象の波形となっており、一方は不要なため切り捨てられます。
  ※ 検波は整流と同じで、真空管のプレートがプラスの時のみ導通するので、プラス側の波形だけが取り出されます。
 4 電波として飛ばすために必要だった搬送波は不要となるためここで取り除かれ、音声信号のみを抽出します。
  ※ 出力とアース間にコンデンサを挿入すると、高周波を通しやすい特性から搬送波のみが減衰され、低い周波数の音声
     信号だけが通過します。



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デジタルと2進数~16進数
現在では様々なデータがデジタル化され、記録再生が容易にでき、且つ高精度です。 これから電気回路を学んで行く上でデジタル技術に関する知識は必要不可欠なものなので、ここで少しだけ2進数と16進数について説明したいと思います。

パソコンと2進数
パソコンといえば音楽、静止画、動画、何でもござれで、およそ出来ない事がない程の万能機器です。しかし、どんなに高度な処理を行ってもパソコンが最終的に理解できるのは、電気が "有" か "無" かの二者択一なのです。そこで電気が "有" のが "1" で "無" のが "0" となり、全ての値を "1" と "0" で表したものが2進数です。(実際では電圧の有無ではなく、電圧レベルの高低で判断するのが殆どです。)

パソコンに何らかの仕事をさせる為にオペレーティングシステムをはじめ様々なアプリケーションソフトが作られています。これらのプログラムは高級言語と言われるプログラミング言語で作られていますが、これはより言葉に近い感覚でプログラムを作り易くするために開発されたものです。

最後の段階では、高級言語から変換ソフトウエアによって "1" と "0" のマシン語に翻訳され、その後実行可能なプログラム(オブジェクトコード) に変換されてから実行されます。
 
10進数・2進数
2進数とは、 2 を基数として表現した数値です。 私たちが普段使用しているのは10進数です。 0 ~ 9 の10種類の数字を使って数値を表します。

16進数
16進数は 16 を基数 として表した数値です。 10進数の基数は 10、 2進数 の基数は 2 です。
10進数は 0 から 9 までの 10種類の数字を使って数を表し、 数が 0 から 1、2、3… と順に増えていくとき、7、8、9 までは 1桁ですが、 次は桁上がりして10 になります。

2進数は 0 と 1 の 2種類の数字を使って数を表し、 数が 0 から 1… と順に増えていくとき、1桁で表せるのはここまでで、次はやはり桁上がりして 10 になります (この 10 は、 10進数の "2" に相当します)。

同様に、 16進数には 16種類の数字がありますが、 記号としての数字は 0 から 9 まで 10種類しかないので、アルファベットの A ~ F を「数字」として借用します。16進数は 0 から F までの 16種類の数字を使って数を表し、 数が 0 から 1、2、3… と順に増えていくとき、7、8、9 の次は A、B、C 、D、E、F と1桁ですが、次は桁上がりして 10 になります(この 10 は、10進数の "16" に相当します)。

言い換えれば、10進数だと 0~9までの 10種類、2進数だと 0 と 1 の 2種類、16進数なら 0~F までの16種類の数字が 1 桁で表すことができます。


コンピュータでは 2進数が使用されていますが、 2進数は桁上がりが激しく、大きな数値を 2進数にすると桁数も多くなります。
例えば、 10進数の 12 は 2進数では 1100 ですが、 同じく 10進数の 123 は 2進数では 1111011、 1,234 は 10011010010、 12,345 は 11000000111001、 123,456 は 11110001000100000 といった案配です。
このような 2進数をそのまま扱うのはとても厄介です。

そこで、 16進数の出番です。
2進数を下位から 4桁毎に区切って、 4桁単位で 16進数に置きかえると次のようになります。

10進数2進数16進数
111
121100C
123111 10117B
1,234100 1101 00104D2
12,34511 0000 0011 10013039
123,4561 1110 0010 0100 00001E240
1,234,5671 0010 1101 0110 1000 011112D687
12,345,6781011 1100 0110 0001 0100 1110BC614E
123,456,789111 0101 1011 1100 1101 0001 010175BCD15

16進数にはアルファベットが混じったりするので、 慣れないうちは「数」とは思いにくいかも知れませんが、 0 と 1 ばかりがやたら並んでいる 2進数よりは、遥かに扱い易くなります。

2進数を 16進数に置き換えるには、次の表の関係を使って置き換えます。

2進数10進数16進数
0000
0001
0010
0011
0100
0101
0110
0111
1000
1000
101010
101111
110012
110113
111014
111115

16進数は、文字コードでも使用されます。
ASCII では "A" という文字のコードは41 (2進数では 0100 0001)、
JIS 漢字コード では "亜" という文字のコードは 3021 (2進数では 0011 0000 0010 0001)で、これらは2進数
を16進数で表しています。

上記の漢字コードを例にとって、2進数、10進数、16進数の関係を下に示します。
ウェブページの文字や背景の色指定にも 16進数が使われています。 色のデータそのものは "FFFFFF" と "000000" です。
これらは 6桁の 16進数で、 "FFFFFF" の場合、左の 2桁 "FF" は赤 (R) の、 中央の 2桁 "FF" は緑 (G) の、 左の 2桁 "FF" は青(B)の明るさを表しています。

赤と緑と青は 全て"FF" なので RGB 3色を混ぜ合わせると白に見えます。また、"000000" は R、G、B いずれも "00" ですから、 文字の色は黒になります。 文字の色は一部分だけを変えることもできて、"FF0000" だと 赤 に、"00FF00" だと 緑 、 "0000FF" だ と 青 になります。




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サンプリング(標本化)

サンプリング(標本化)とは、アナログ信号の強さを一定時間ごとに採取し、デジタル記録が可能な形にすることをいいます。特に、音声をデジタルデータとして記録するために、一定時間ごとに音の強度を採取する処理を指すことが多い。信号の強度を採取する周期のことを「サンプリング周波数」と呼び、1秒間に何回採取するかをあらわします。 サンプリングレート、サンプルレートとも呼ばれています。

音声の場合、サンプリング周波数が高いほど広い帯域幅の記録が可能で、サンプリング周波数の半分にあたる周波数成分までなら完全に元のアナログ信号に復元することができます。

音楽 CD のサンプリング

ある波形を正しく標本化するには、波形の持つ周波数成分の帯域幅の2倍より高い周波数で標本化する必要があります(サンプリング定理)。逆に、サンプリング周波数の 1/2 の帯域幅の外側の周波数成分は、復元時に折り返し雑音となるため、標本化の前に帯域制限フィルタにより遮断しておかなければなりません。

音楽CDで使用されるサンプリング周波数は44.1kHzであるため、直流から22.05kHzまでの音声波形を損なわずに標本化できます。あらかじめ、カットオフ周波数20kHzのローパスフィルタで前処理が行なわれていますが、人の可聴域の上限にほぼ一致しているため、実用上問題なく音声を再現できることになります。




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CDの原理と構造
CD(Compact Disc)の原理
一言でいうと、レーザービームを記録層に照射し、その反射の強弱によって "1" と "0" に変換しデジタルデータとして読み取ります。レーザービームは記録層の凸凹によって反射する距離が変わり位相にズレが生じます。その結果、位相差のあるレーザービームの干渉によって反射光が無くなります。


CD の構造
CD は直径 12cm、厚さ 1.2mm のポリカーボネート樹脂製の円盤です。円盤の表面には 0.11μm の凹凸があり、これにデータが記録されています。 これを 「ピット」、ピットでない部分を 「ランド」 といいます。

その上には同程度の厚みのアルミニウムの膜があります。これは光を反射させる鏡の役割を果たします。更にその上に 20μm ほどの保護層があって、その上に CD のタイトルなどが印刷されています。

ピットの幅は 0.5μm 、長さは 0.83μm ~ 3.56μm で、0.3μm ずつ長さが違うものが9種類あります。 このようなピットの列が1.6μm の間隔で螺旋状に刻まれています。 CD のデータを読みとるために、波長 780nm の赤外線レーザーが使用されています。

ポリカーボネート樹脂の屈折率は 1.55 ですから、ポリカーボネート樹脂の中では、このレーザー光の波長は 780nm ÷ 1.55 ≒ 500nm になります。この波長の 1/4 は 125nm ですが、CD ではピットの深さは 110nm (0.11μm) になっています。

ポリカーボネート樹脂を通って進んできたレーザーは、データの記録面に達すると、直径 1.7μm に絞り込まれています。ランド部に当たったレーザー光は反射して戻ってきますが、ピットに当たったときは、 ピットから反射したレーザー光と、ランドから反射したレーザー光には約 1/2 波長の位相差があるため、 干渉によって暗くなってしまいます。CD では、このようにして、ピットの検出が行われています。
CD の情報はピットにあります。コンパクトディスクの断面図で分かるとおり、ピットの上には 0.1μm 程度の厚さのアルミニウムの膜があり、その上には20μm 程度の厚さの保護層があって、 その上にレーベルなどが印刷されています。

ふつう、レーベルとは反対側の、プラスチックの面に埃やキズがつかないように注意して扱いますが、こちらの面からは、ピットは 1.2mm もあるポリカーボネート樹脂で「保護」されています。

ところが、レーベル面からは、わずか数10μm の保護層しかありません。レーベル面に硬いものを落としたりすると、ピットはひとたまりもありません。くれぐれもレーベル面の取り扱いには注意を払って下さい。

CD 及びCD-Rの立体構造
音楽CD


音楽が録音してあるCDを音楽CDまたはCD-DA(Digital Audio)といいます。 アナログオーディオ(レコード盤やカセットテープ)は音の波をそのまま記録しますが、デジタルオーディオであるCDは波を細かく区切って数値化したものを記録します。「デジタル」とは数値化するという意味なのです。

CDのもっとも内側には「TOC (Table Of Contents) 」という演奏時間や各曲の開始位置などを記録した領域があり、CDプレーヤーはここを読み込んで演奏時間の表示や素早い頭出しを行っています。一度録音したCDに後から追加録音した場合、新しいTOCが後ろに追加されるだけで先頭のTOCはそのままなので 従来のプレーヤーでの再生は保証されません。


データCD

パソコンデータが記録してあるCDをデータCDまたはCD-DATAといいます。文章・画像・プログラムなど何でも書き込めるので、大量のデータの保存や配 布に利用されています。音楽CDと違い後から書き足すこともできますが、データの先頭と末尾に印を付ける「CDを閉じる」 という作業をしないと従来のCD -ROMドライブからは読み込めません。

一枚のディスクに一回だけ書き込んで閉じる方法を「ディスク・アット・ワンス」、数回に分けて書き込んでから閉じる方法を「トラック・アット・ワンス」、毎回閉じる方法を「セッション・アット・ワンス」といいます。



「AUDIO」と「DATA」

どんなCDでも音楽データを書き込めば音楽CDとなり パソコンデータを書き込めばデータCDとなります。しかし「AUDIO」、「DATA」と書かれた2種類のCD -R/RWが売られているのはなぜでしょうか。 両者は材質・構造ともにまったく同じ物なのですが 「AUDIO」には著作権保護の為の補償金が価格に上乗せ され「DATA」と区別する為の印が書き込んであるので、オーディオのCDレコーダーは「AUDIO」にしか録音できないようになっています。


CD-ROM

ROMはRead Only Memory(読み出し専用メモリ)の頭文字です。冒頭にあったCDの断面図は実はCD-ROMのものです。CD-ROMは初めからデータ が書き込んであるCDで、アーティストの音楽CD、パソコンショップで買ったアプリケーションソフト、雑誌の付録CDなどの殆どはCD-ROMです。あらかじ めピットの型を取って工場でプレスするので 同じ内容のCDを安く大量に生産できるのが特徴です。


CD-R

RはRecordable(記録できる)の頭文字です。CD-Rは自分で好きなデータや音楽を書き込むことができるCDです。記録できる秘密はCD-ROMには 無い有機色素の記録層にあり、これを強力なレーザー光で熱してピットを形成していきます。レーザーで焼いてしまうので書き換えは不可能ですが、逆にうっかり消すと困るようなデータの保存に適しています。

ピットを書き込むコースに沿ってグルーブという案内溝(図では上下逆なので盛り上がっている)があります。溝には現在位置情報を波に変換したものが練りこんであるため左右にうねって(ウォブリング)います。


CD-RW

RWはReWritable(再び書き込める)の略語です。CD-RWはCD-Rと同様に自分で書き込めるうえデータの書き換えが可能です。記録原理は特殊な 合金に加える熱と冷却時間によって原子が不規則に散らばった状態「アモルファス」と規則正しく並んだ結晶状態「クリスタル」に変化する相変化現象を利用しています。

アモルファスは光の反射率が低いのでピットの役割を果たし、クリスタルは反射率が高いのでランドの役割を果たします。再びレーザー光で熱すれば何度でも相変化させることができるので書き換え可能となりました。CD-Rと違い何度も加熱する事になるので記録層を保護する 誘電層が上下に配置してあります。

CD-RWは従来のCDプレーヤー・CD-ROMドライブでは読み込めないという欠点があります。CD-ROM/Rの反射層が65%以上の反射率なのに対しCD-RWの層変化方式では25%の反射率しか得られず正常に読み取れないのです。


DVD-RAМ

書き込み型DVDには数多くの種類がありますが、ここではDVD-RAMについて説明します。「RAM」は「Random Access Memory(無作為に読み書き可能)」の略で、DVD±RWと違って始めからハードディスクのように自由にファイルの更新・削除ができるDVDです。DVD-RAMはDVDフォーラムの規格ですが、他の全ての種類のDVDと互換性がなく、一般のDVDプレーヤーでは再生できません。

DVD±RやDVD±RWはDVD-ROMと互換性があるためディスクの見た目もそっくりです。しかしDVD-RAMは一目でわかる大きな外見的特徴があります。一つはディスクがカートリッジに入っているという事です。DVD-RAMはPCの記録装置として使う事が考えられているので高い信頼性が要求されます。そのため傷やホコリからディスクを守るためにカートリッジに入っているのです。しかしこれではDVDプレイヤーで使用することができないため、 カートリッジからディスクを取り出すことができるDVD‐RAMもあります。最近では始めからカートリッジに入ってないDVD-RAMも多くなりました。

もう一つの違いは記録面に規則的に細かい線がたくさん入っていることです。ビデオなどのAV用途ではディスク先頭から順番に読み書きしますが、PC用途ではどこからでも読み書きされます。そのためデータの読み書きを速くするためにディスク上に頭出し用のマークが大量についているのです。


DVD-RAМディスクの構造

DVD-RAMは記録層の性質上、小さなピットを作る事ができないので、±Rや±RWでは使っていなかったランド部分にもピットを記録することでDVD-ROMと同じ片面4.7GBのデータ量を確保しています。また、プリピットの位置も独特です。いくつかのグルーブをまとめて横断するように、ディスク内の位置情報を記したプリピットが配置されています。こうする事で読み書きの時に非常に高速かつ正確な頭出しが可能となっています。ディスク記録面に見える規則的に並んだ細かい線は、このプリピットです。


DVD-RAМとRWの違い

DVD-RAMはDVD±RWと同じく相変化記録を用いていますが、記録層に用いられている合金が異なります。DVD±RWで使われている銀・インジウム・アンチモン・テルル(AgInSbTe)合金は繰り返し記録による劣化が早い代わりに DVD-ROMと同じ細かくシャープなピットを作る事ができるので、DVD-ROMと互換性を持たせる事ができます。一方DVD-RAMで使われているゲルマニウム・アンチモン・テルル(GeSbTe)合金は細かいピットを作る事はできませんが、劣化に強いため10万回以上の書き換えが可能になっています。


DVD±R DL

書き込み型DVDには数多くの種類がありますが、ここではDVD-R DLとDVD+R DLについて説明します。
DVD±R DLは一度だけ書き込みができるDVD±Rを2層化したものです。 「‐DL」は「Dual Layer」の略、「+DL」は「Double Layer」の略です。DVD-R DLは企業団体DVDフォーラムの規格、DVD+R DLは企業団体DVD+RWアライアンスのDVD互換規格です。この二つの規格は互いに互換性がないのでディスク購入時には自分のDVDプレーヤー/DVDドライブがどちらに対応しているか前もって調べておく必要があります。対応しているパソコン用DVDドライブやビデオ用DVDレコーダーにはそれぞれのロゴが付いています。




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BIOSについて

BIOSとは?

PCを使っていてよく耳にしたり目にしたりするBIOSとは一体何でしょう?。BIOSとはBasic Input Output Systemの略でバイオスと読みます。PCには様々なハードが接続されていますが、簡単に言えばそれらをOSへ橋渡ししてくれる役目がBIOS です。 BIOSと言えばマザーボードを思い浮かべる方も多いと思いますが、BIOSが搭載されているのはマザーボードだけではあ りません。PCで言えばSCSIやATAなどの拡張カードやビデオカードやCD-ROM装置にも搭載されています。あまり知られてはいませ んが、一部の家電製品等にも搭載されています。正確にはそれらハードウェアとOSのインターフェースを確立するシステムを総称 してBIOSと言うのが正しい呼び方です。ではなぜそのようなシステムが存在するのかという疑問がわいてくると思いますが、不要 なものは搭載しないはずですよね。最近のこれらのハードウェアは電子部品(IC等)をプリント基板上に配置して配線パターンで結線して作られています。この配線パターンをPCBと言い、バグを取り除くために変更されることもありますが、一度生産ラインに載せ たPCBを変更するには大変なコストが掛かります。 そこで、そのコストを抑えるためにBIOSによりチューニングが行われます。これがBIOSのアップデータです。 ここで気付いた方もおられると思いますが、よくアップデータには変更内容が記されている場合が ありますよね。現在ではこれらバグFIXのため用いられることが多いようです。


BIOSの役割

それでは具体的にマザーボードのBIOSが何をしているかを簡単に説明します。BIOSはPCで使用されるOSがBIOSの情報を受 け取りレジスタを生成するまでは簡易I/Fとして動作します。 主にCPUのID情報からベンダー名や動作クロックや倍率を判断し、自動認識の場合はこれらがBIOSの設定情報となります。メモリからはSPDの情報から動作クロックやタイミングを読み取り、メモリチェックを行います。それからI/Fまわりではシリアルやパラレルの及びUSB等のモード設定、PCIバスのルーティングを行います。電源もAPMやACPIで管理するようになっています。その他の機器についてもハードウェアまわりはほとんどBIOSで管理されてい ます。


BIOSのメーカー

BIOSにもOSと同じようにメーカがあります。今でこそ8割方がAWARD社のものになっていますが、元々はIBMのPC/AT機の BIOSです。これを各PCメーカやマザーボードメーカが解析して自社製に搭載していました。PC/AT互換をうたうためには互換BIOSを搭載しなければなりません。そこで著作権の問題やコストの問題が出てきて、その問題をクリアするために専業メーカーが出てきたのです。BIOSのROMにホログラム等でシールが貼られていますが、それがIBMからライセンスを受けたBIOSメーカの正規ライセンス証になるのです。専業メーカ自体は複数存在し、他にはAMIやPhoenixが有名ですが、PhoenixはAWARDと合併 したので実質はPhoenix社からAWARDとして供給されており、それとAMIの2社ということになります。メーカ製PC等では体力があれば、自社製のBIOSを作っているところもあります。




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中骨作用

中骨作用とは?

あまり聞き慣れない言葉だと思いますが、電子レンジはこの中骨作用を応用したものです。陶器、ガラス、プラスチックなどの誘電体(絶縁物質)にマイクロ波を照射すると透過し、食品などの水分を含むものに照射すると透過波のエネルギーが吸収され、食品自体が発熱し内部から加熱されます。このような現象を中骨作用といい、この名は安宅彦三郎博士によって命名された現象で、「電流は電線のどこを流れているの?」で説明した表皮効果とはちょうど反対の現象です。中骨作用の大きさは表皮効果のように簡単には決められませんが、物質の誘電率が大きく、かつ周波数が高いほど中骨作用は大きくなります。

電子レンジに用いられる電波の周波数は2450MHzで 高出力のマグネトロンから発射されます。出力電波の電送には通常方形の導波管が用いられ、加熱箱内で食品に向かってラッパ状に開口して電波を食品に照射します。 余談ですが、空港で使用されているレーダーも電波の強さこそ桁外れに違うものの、周波数も比較的近く巨大な高出力のマグネトロンから発射されています。


将来の展望

可能性としてはマイクロ波送電が考えられます。マイクロ波によって電力が送れるので、離島や辺地へ送電できるばかりでなく、宇宙空間から昼夜の別なく太陽エネルギーを捕らえて地球に送電することが可能です。しかし、高密度のマイクロ波ビームだと触れれば飛んでいる鳥も瞬時に焼き鳥となって落ちてくることになってしまいます。航空機の飛行へも大きな影響を与えるためこのような障害を除く手段はいろいろ考えられていますが、実現するのはまだ先のことになるでしょう。



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ブラウン管テレビの仕組みと技術の進化

テレビの発明者は?

2011年7月に日本のテレビはすべてデジタル放送に切り替わります。世界初のテレビ放送は1935年にドイツで開始されましたが、テレビ放送の実現には日本の技術も大きく貢献しています。そこでテレビ技術の進化を振り返りながらその仕組みについて説明したいと思います。

結論から言いますと、テレビはさまざまな技術成果の積み重ねによって完成されたもので、特定の発明者はいません。ただし、そのきっかけとなるアイデアはイギリスのベインによって生まれています。これは、ベルによる電話の発明(1876年)より約30年も前の1842年の事になります。考案された装置は画像を電気的に伝送するもので"テレグラフ"と名づけられた化学式の画像伝送装置でした。テレビにはほど遠い感はありますが、画像走査つまり画像を多数の線に分解し、それを電気信号として伝送するというアイデアを実現したことで画期的なものでした。ベインは時計技術者で、テレグラフの画像走査のしくみには、振り子の運動が取り入れられています。振り子の先に接触針を取り付け、振り子の往復運動により接触針で画像を走査して伝送するというしくみです。


  
ブラウン管の名前の由来は?

ブラウン管はその発明者の名前に由来して名付けられました。ドイツの物理学者カール・フェルディナント・ブラウンによって考案された物理実験用の陰極線管(CRT-Cathode Ray Tube)がそれです。 陰極線(真空放電において陰極から放出される高速の電子の流れ)の方向を制御して観察する装置で、これを受像機として応用したのがブラウン管テレビです。


日本人とブラウン管テレビ

世界初のブラウン管テレビの実験に成功したのは日本人技術者で浜松高等工業学校(現・静岡大学工学部)の高柳健次郎でした(1926年)。1940年の東京オリンピック(日中戦争の激化により開催中止)に向けて、国産技術によるテレビ放送も予定され、1941年に実験放送が開始されましたが第2次世界大戦の勃発により短期間で中止となりました。戦前の日本のテレビ技術は世界の先端をいくものだったのです。


八木アンテナ

テレビといえばアンテナですが、現在テレビ放送を受信しているアンテナは1925年に八木秀次氏によって発明されました。当時はテレビ放送もなかったので超短波を受ける方式として日本政府に特許申請しましたが、日本政府はいまいちその有用性を理解できず、その申請を却下しました。

却下された八木氏はその技術を持ってアメリカへ渡り特許を取得、アメリカはその技術をもちいて軍で使用するレーダー用アンテナとして利用し日本 との戦争で大いに活用したそうです。いわば日本は日本人の作ったレーダーによって敗北したともいえます。

驚くべきことにそのアンテナの技術は現在も全く変わることなく世界中の屋根の上で使用され、アンテナといえば「八木アンテナ」というほど世界中 に浸透している偉大な大発明だったのです。


ブラウン管テレビの仕組み

(1) テレビ画像はどのようにして描かれているのか?

原理については白黒テレビを例に説明してみたいと思います。前にも説明していますが、ブラウン管は真空管の一種なのでカソード(この場合は電子銃)から出た電子ビームは高電圧によってブラウン管前面に引き寄せられ、蛍光スクリーンに塗布された蛍光体に衝突して発光します。この電子ビームの照射は画面の左上から右下に向かって下図のように走査します。電子ビームは途中に配置された偏向コイルという部分で作られる磁界によって上下左右に向きが変えられます。

電子ビームは電流と同じことですから磁界の影響を受けて、フレミングの左手の法則により向きが変えられます。偏向コイルには垂直偏向コイルと水平偏向コイルの2種類があります。

ブラウン管の外回りはガラス製なので、蛍光体で発生した光はモニタ外から見ることができますが、特にカラーブラウン管において、高エネルギー電子線の衝突により発生する危険なX線を遮る必要があります。このため、ブラウン管用のガラスは鉛ガラスが用いられています。

水平走査周波数は15750Hzで人間の耳に聞こえる可聴周波数の上限付近にあります。場合によってはこの周波数の「キーン」という発振音が聞こえる 人がいるようです。

(2) NTSC方式
NTSCとはNational Television System Committeeの略で、全米テレビジョン放送方式標準委員会の事をいいます。NTSC方式とはアナログテレビジョン放送標準方式の規格をいいます。当初普及していた白黒テレビ放送のあと、カラー信号でも受信できる互換性を持たせて採用したカラーテレビ方式がNTSC放送方式です。

原理説明では画面の左上から右下まで順次走査していく様子を説明しましたが、実際では奇数と偶数の2回に分けて走査するインターレース方式がとられています(下図参照)。人間の脳は一瞬の絵を残像として残す性質があり、2回に分けて1枚の絵を描いても何ら不自然に見えることはありません。

パソコンモニターは文字や静止画を表示することが多く、飛び越し走査のインターレース方式だとチラつきやにじみが生じるため、ノンインターレース方式となっています。現在では、ノンインターレース方式の事をプログレッシブ方式と呼ぶのが一般的になっています。

プログレッシブ方式はインターレース方式に比べて、伝送により多くの帯域を必要とし、特にテレビ放送を中心とする家電分野では従来のNTSCとの互換性確保などの問題もあって長い間採用されてきませんでした(現在のBSデジタル放送やCSデジタル放送ではプログレッシブ方式も採用されています)。



カラーブラウン管の構造

カラーブラウン管(CRT)の内部構造を簡単にご紹介します。まずは光の3原色にあわせて3本の電子銃が用意されていますが、絵にあるように3色 の電子ビームが出るわけではありません。赤の電子銃は赤の蛍光体だけを狙ってビームを発射するように作られており、そのため3原色分3本用意さ れているという訳です。


3色の蛍光体(赤、緑、青)がドット構成の場合はデルタ型に配置されており、各色の光の強度の違いによって色が変わります。電子銃から出る電子 ビームは収束レンズによってシャドウマスクの穴の一点に収束されるように発射されます。 電子銃と蛍光体の間には、コンバージェンス調整用磁石 と色純化磁石(ピュリティー)が管外に配置されていますが、これらは色ムラ、色ズレを補正するためのものです。 ビームを偏向する時、丸みが少なく比較的フラットに近い画面では周辺に行くほど偏向の振れ幅が大きくなります。画面周辺の補正を行うのが動的(ダイナミック)コンバージェンス、中心付近の補正を行うのが静的(スタティック)コンバージェンスです。

電子ビームは偏向ヨーク(偏向コイル)によって偏向され走査が行われます。蛍光体に当たる直前にシャドウマスクが配置されており、3色それぞれの蛍光体のみに当たるように遮蔽されて色選別されます。シャドウマスクを通過して蛍光体に当たるのは全体の数十パーセントにすぎません。

電子ビームは地磁気等の影響も受けるため、下図には書いていませんが、ブラウン管前面の周囲に消磁コイルを置いてシャドウマスクの消磁を行って います。
オシロスコープ用ブラウン管

オシロスコープ用のブラウン管はテレビのものより細長く、電界により偏向させる。これは、電界偏向(静電偏向)のほうが磁界偏向よりも高い周波数で走査を行えるためである。電界偏向では磁界偏向に比べてビームを偏向するにあたっての印可電圧が低くできる反面、ブラウン管を大きくした場合など広い範囲の偏向を行うには不向きという側面もある。また、静電偏向型は大型化、薄型化した場合、高電圧化させる必要がある事も不利な理由である。但し、電源電圧の変動に関しては磁界偏向よりも耐性がある。


シャドウマスク

シャドウマスクは電子ビームを赤、緑、青(RGB)の各色に割り振るためのものです。金属の薄い板に円形(径0.2~0.3mm)、または方形の穴が画素 数分あけられた構造をしており画面表面のガラスのすぐ裏側に置かれています。類似のもにアパーチャーグリルなどがあります。

シャドーマスクは電子線を浴び続け、熱を持つため、熱膨張しにくい素材が使用されます。アパーチャグリル方式に比べて製造コストが安く、耐用年数が長い。構造の特徴上ドットピッチを小さくできるため、高精細表示が可能である。



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液晶ディスプレイの構造

サンドイッチ構造

カラー液晶ディスプレイの構造は、それぞれの構成要素がサンドイッチのように層状になっています。

液晶とは?

液晶ディスプレイは通常LCDとも呼ばれ、英語名のLiquid Crystal Displayの略です。物質の三態(固体、液体、気体)に比して液晶というのは第四の状態といわれ、固体と液体のちょうど中間に存在します。性質的にも温度的にもそうです。液晶は、ある特定の温度範囲でしか液晶にならないので、常温を中心に-20°Cから+80°Cくらいの間で液晶状態になるように材料開発がなされています。

液晶の例として、イカの墨、石けん水などがあります。液晶は普通の液体のように流れ、なおかつ方向によって光学的性質が異なり、結晶のような性質を持っています。

液晶ディスプレイの原理

自然状態の液晶分子は、その長軸方向にゆるやかな規則性を持って並んでいます。一定方向に微細な溝のある板(配向膜)に液晶を接触させると溝に 沿って液晶分子が並び方を変えます。溝の向きを90度変えた板で液晶をはさむと、液晶分子は90度ねじれて配列します。液晶に光を通すと、分子の並ぶ隙間に沿って光が通りますので、分子の配列が90度ねじれている場合には、光も90度ねじれて通っていきます。

液晶は、電圧をかけるなどの外からの刺激によって、簡単に分子の並び方が変わります。電圧がかかると分子は垂直方向に並び方を変えて(電界に沿って)並びます。光は分子の並びに沿って、直進します。2枚の偏光フィルターを組み合わせて、ねじれた状態の液晶をはさみ、これに電圧をかけると、液晶ディスプレイになります。2枚の偏光フィルターを同じ偏光方向に並べると光を通し、光の偏光方向が直行するように並べると光を遮断します。

代表的なTN型液晶の原理では、分子の並び方が90度ねじれた液晶を、2枚の偏光方向が直行する偏光フィルターではさんでいます。電圧をかけていない状態では光が通り、電圧をかけると光が遮断され画面上では黒くなります。つまり電圧がひきがねとなって、液晶が光のシャッターの機能を果たします。


偏光フィルター

偏光フィルターは、光の振動方向のうち一方向の成分だけを透過する性質があります。光は電磁波の一種で横波ですので、振動方向は進行方向に垂直 な面内のあらゆる向きが可能です。自然光はこの面内に一様に振動方向成分が分布しており、このような状態を無偏光といいます。

偏光フィルターは、細長い分子や結晶などが向きを揃えて配列しており、その方向に沿った振動成分だけを透過する性質があります。理想的な偏光 フィルターの場合、入射光がフィルターの向きと同じ方向に偏光していたら透過光は入射光と全く同じであり、入射光がフィルターと垂直な向きに偏光していたら透過しません。無偏光の光が入射した場合は、半分がフィルターに沿った成分、半分がフィルターと垂直な成分ですので、透過光の強度は入射光の半分です。


偏光フィルター・配向膜と液晶の関係




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「プラズマ」とプラズマ・ディスプレイについて

プラズマってなに?

液晶ディスプレイに続いて、プラズマディスプレイについてのお話をしようと思いましたが、その構造を説明する前に、まず「プラズマ」について知っておく必要があると思いましたので、ここで簡単にご紹介します。

プラズマは放電現象などに伴って発生させることが出来ます。温度を上げる事で物質は固体から液体へ、液体から気体へと変化します。更に気体の温度が上がると気体の分子は解離して原子になり、更に温度が上がると原子核の周りを回っていた電子が原子から離れて、正イオンと電子に分かれます。この現象を電離といい、電離によって生じた正イオンと電子を含む気体をプラズマと呼びます。

自然界に存在するプラズマには、太陽、オーロラ、稲妻などがあげられます。この他にわれわれが日常接することができる人工的なプラズマには、蛍光灯や各種放電管などがあります。意外と身近なところで使われているんですね!

プラズマ中の電子のもつ電荷の総和と正イオンのもつ電荷の総和は符号が逆で大きさは等しいので、全体としてほぼ電気的中性です。電子ビームやイオンビームのように電気的中性条件を満たしていない荷電粒子系は通常プラズマとは呼ばれません。

イオンとは!

プラズマを説明する中で「イオン」という言葉がでてきました。よく聞く言葉ですが、いまいちピンと来ないですよね! そこで一言でいい表してみますと、「イオン」とは電荷を帯びた原子や原子団(原子がいくつか集まったもの)のことを言います。

原子については、この「電気のはなし」の中の一番初めに出てくる「電気とは何ぞや?」で説明しましたが、ここでもう一度おさらいをしてみたいと思います。原子には原子番号が振られており、原子番号1番(1番目の元素)の水素から始まって原子番号118番のウンウンオクチウムまであります。

この原子番号は負の電荷を持つ電子の数と同じです。原子核の中には正の電荷を持つ陽子と電荷を持たない中性子があり原子核の周りを回っている電子と同数存在し、電荷のバランスがとれています。

原子核の周りには電子が入るところである電子殻という軌道が何重にもあり、K殻、L殻、M殻、N殻があります。規則性があって電子は原子核に近 いK殻から順に収容され、電子殻に入る事のできる電子の数が決まっています(K殻2個、L殻8個、M殻18個、N殻32個)。この電子殻に入る電子の数が増減することで原子核と電子の電荷のバランスが崩れ、正または負の電荷を帯びてイオン化します。

一番外側の電子殻の電子を価電子といい、この価電子の数が同じ原子同士は似た性質を持ちます。その性質の一つがイオンへのなり易さです。価電子の数が2個または8個が原子の中で一番安定した数なのです。そこで、一番外側の電子を捨てたり、どこかから電子を拾ってきて8個にしようとします。そうしてできたのがイオンです。


プラズマディスプレイの構造

プラズマディスプレーの構造は、非常に小さな蛍光灯が画面いっぱいにぎっしりと並べられていると考えて下さい。勿論その一つ一つが蛍光灯のような形状をしている訳ではなく発光原理が同じという事です。またカラー表示が必要ですから、その小さな蛍光灯には赤、緑、青の3種類が有ります。セルの構造と発光にいたる原理を下図に表します。
PDP(プラズマディスプレイ)の画面はブラウン管、液晶と同様にRGBの三つのドットの集まりからできています。それぞれのドットは、厚さ3mm程度の二枚のガラス基板に挟まれたセル構造をしています。電極からこのセル内に封入したガスに電流を流して放電させるとプラズマが生じます。このとき紫外線が生じます が、この紫外線がそれぞれのセルの蛍光体にぶつかって、RGBそれぞれの可視光を発します。プラズマそのものの紫外線は私たちの目に映ることはありませんが、蛍光体によって可視光に変えられてはじめて私たちの目に飛び込んでくるというわけです。なお、発生する紫外線は非常に弱いもので、ガラス板で吸収されてしまい人体などに害を与えることはありません。

液晶の場合は、セル内で液晶分子がねじれたり直立したりと様々に向き(配向)を変えますが、この配向の変化速度は、プラズマの応答速度に比べて ずいぶんと遅いものです。これがプラズマは液晶より激しい動画の表示にも向いているという理由です。

液晶TVとプラズマTVの比較

 ■違いのポイント
    液晶テレビ:
       ・ 映像に関係なく、バックライトは常時発光している。
      ・ 不要な色を液晶パネルで「遮って」フルカラーを表現。
      ・ 全ての光を「遮る」事で「黒色」を表現。
    
    プラズマテレビ:
      ・ 映像に応じて、R(赤)/G(緑)/B(青)を発光する。
      ・ 必要な色を「発光して」フルカラーを表現。
      ・ 全ての画素を「消灯」する事で「黒色」を表現。

参考までに、1年間の電気料を比較してみると57インチ以上のものであればプラズマ、それ以下であれば液晶のほうが安くなります。但し、年間の 料金の違いといっても1000円程度ですからそれほど気にする必要はないと思います。パネル寿命は液晶のほうがプラズマの2倍ほど長くなります。



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蛍光ランプの構造と動作原理

基本構造

蛍光ランプの基本構造は下図のとおりです。管の両端にある電極は、タングステンのコイルフィラメントで2重または3重になっています。この コイルフィラメントに、熱電子を放射させるための電子放射物質(エミッタ)が塗布され、管内には適量の水銀と、放電開始を容易にするためのアルゴンガスが封入されています。 また、ガラス管の内壁には蛍光体が塗布されています。

動作原理

電源電圧が印可されると、電極に電流が流れフィラメントの温度が上昇します。すると、電子放射物質の温度も上昇し、大量の熱電子を放出します。 この熱電子が両極間に加わっている電圧により、マイナスの電極からプラスの電極に引かれて移動し、ランプ電流が流れます。この電子は、管内を移動する間に水銀原子と衝突し、水銀原子は、この衝突によって得たエネルギーを紫外線として放出します。こうして生じた紫外線の照射を受けた蛍光体は、紫外線を吸収して可視光を発し、明るい蛍光ランプをつくりだします。蛍光ランプの光は、蛍光体の種類によって異なり、白色、昼白色、昼光色など、いろいろな色が作り出されます。


蛍光ランプの点灯方式

蛍光ランプは、点灯方式によってスタータ形、ラピッドスタート形、高周波点灯専用形の3種類に分類できます。

スタータ形

この方式は、あらかじめフィラメントを充分熱してから放電を行わせるものです。グロースタータ(点灯管)方式は、電源電圧を加えるとスタータの バイメタル電極と固定電極の間で放電が起こります。 この放電による発熱のためバイメタルが湾曲して接点を閉路し蛍光ランプの電極を余熱します。
この余熱によって蛍光ランプの電極が十分に加熱され熱電子を放出するようになります。一方バイメタルは温度が下がりますので接点を開路しますが、その瞬間にチョークコイルに生じる大きなキック電圧によって蛍光ランプが点灯します。また、プルスイッチや押しボタンスイッチなどによってグロースタータと同様な働きを手動によって行う手動方式と呼ばれるものもあります。

ラピッドスタート形

スタータ形蛍光ランプはスイッチを入れてからランプがつくまで少し時間がかかりますが、ラピッドスタート形は、その名のように蛍光ランプがつくまでにはほとんど時間を要せず即時に点灯します。まず、スイッチを入れると二つのフィラメントに電流が流れ、ランプ両端に電源電圧プラス誘起電圧がかかります。
そして、フィラメントが約800℃に加熱されて、熱電子を放出するようになった時、ランプは点灯します。その間は、約1秒程度です。もうひとつ 重要な事は、このラピッドスタート方式ではランプ近傍にランプに沿って始動補助体が必要となることです。この始動補助体は器具が代用する場合と、ランプ自体に塗着してある場合の2種類があります。


高周波点灯専用形

商用の交流電源(50または60Hz)を直流に変え、それを更に高周波の交流(20~50KHz)に変換してランプを点灯させます。50Hz地区60z地区のどちらでも使用でき、また蛍光ランプに特有のチラツキがなくなります。
電子部品で構成された電子回路(電子安定器)は、電極の余熱時間を短く設計していますので、即時点灯ができます。電子安定器は従来の安定器に比べて小形で軽量化され、使用エネルギーの面でもランプ効率がアップしていますので、省電力化、高照度化しています。

安定器の働き

安定器のコイルは、電流が流れていない時には、電圧をそのまま伝える。だから、グローランプには最初電源の100Vが掛って放電が起きる。その後グローランプの接点がつながって交流電流が流れると、抵抗として作用し、電圧を下げる働きをする。そしてグローランプが冷えて接点が離れ、流れている電流が切られた時、そのまま流し続けようとする作用(コイル特有の動作)があるので、瞬間的な高電圧が発生する。この高電圧が発生する仕組みは、自動車のイグニッションコイルでも同じだ。この発生した瞬間的な高電圧によって、蛍光灯管の両端のフィラメント管で放電が開始し、点灯が始まる。

点灯が始まれば、安定器によって電圧は70V程度に下がり、そのまま点灯が続く。また蛍光灯管に電流が流れるので、グローランプにはほとんど電圧がかからなくなり、グローランプはその後放電しない状態になる。この様に蛍光灯ではグローランプと安定器の微妙なコンビネーションで点灯を行っている。



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テレビチャンネルよもやま話

たたけば治る?

昔は、よくテレビはたたけば治ると冗談めかして言われたものです。しかしこの話は全く根拠のない話ではないのです。

白黒テレビが世に出回り、更には1964年の東京オリンピックを契機にカラーテレビが普及し始めた ころ、テレビのチューナーはロータリー式で、いわゆる「ガチャガチャ」回すタイプのものでした。機械式であるため使っているうちに金属部分の摩耗などから接触不良を起こすようになり、そこでテレビを たたくと一時的に接触不良が改善されて見えるようになったと言う訳です。 接触不良が常態化する とチューナーのつまみとテレビ本体の間に紙を挟んだりしたものです。しっかり治すためには接点復活剤を塗布するかコンパウンドと呼ばれる研磨剤で磨いたものです。


NHK受信料逃れ

昔から受信料をめぐるトラブルはあったもので、先に書いたロータリー式のチューナーではチャンネル毎にコイルを取り外すことができ、NHKの同調コイルを外して映らないように小細工し、受信料の請求に来たNHKの職員に「ほら、うちはNHKが映らないだろ。見ていないから払わない!」という話がごく希ではありますがあったものです。


チャンネルはコインで替えられた

今でこそチャンネル切替はリモコン操作があたりまえの時代ですが、リモコンが出だしたころは超音波式のものがありました。手のひらにコインを数枚乗せてチャラチャラ鳴らすと、うまい具合に同調した時、チャンネルが切り替わるということがありました。今では赤外線が主流で最近では無線方式も多くなってきました。無線方式は無指向性のため、リモコンをテレビに向けなくても切り替わるので大変便利です。


赤外線を視認する方法

リモコンの話が出たついでに赤外線について少しお話したいと思います。赤外線は可視光の範囲外にあるため通常目には見えません。ところが、デジタルカメラやビデオカメラに使われている撮像素子であるCCDは人間よりも広い範囲に反応します。リモコンをカメラに向けてボタンを押すと赤外線が点滅しているのが分かります。危険を避けるため、目には見えないからといって赤外線が出ていると思われる所を肉眼で見続けることはやめましょう。






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LED照明はちらつくの?

ちらつきの原因

蛍光管のちらつく原因は、皆様ご想像の通り電源に交流を使っているからです。東日本と西日本とで異なりますが 50Hz~60Hz の商用電源を使っ ているためその周期で極が入れ替わります。 確かに蛍光管の一極に注目してみると 50~60Hz の周期で変化していますが、蛍光管全体としては電源 の交流の正負の電圧が高くなるタイミングで放電が起こって光を出すため、蛍光灯は 100~120Hz で光る事になります。幸いなことに、人間の目の ちらつきを感じる周波数応答限度は 50Hz~60Hz 程度と言われていますので、100~120Hz で発光する蛍光管ではちらつきを感じる事はありません。

では本題のLED照明ではどうでしょうか。とある自治体において、省電力等の観点から室内の照明を一斉にLED照明に切り換えたそうです。すると間もなく「ちらつき」や目の疲れを訴える声が多くなり、調査した結果やはり「ちらつき」があることが確認されたそうです。

私は、この記事を読んで直ぐに疑問を持ってしまいました。 なぜならば、LEDは半導体であり直流で動作するため、ちらつきは発生しないという認識を持っていたからです。そこで調べた結果、次の要因が大きく関わっていることがわかりました。

LED照明は即時点灯性が非常に良い照明で点灯した瞬間に100%点灯となります。蛍光灯電球は、点灯した瞬間は70%程度の点灯状態であり、数秒後に100%点灯となります。半導体であるLEDは小さな電圧にも反応し、また応答速度も速いことから逆にいうと直流電源といってもリップル成分(交流成分を含んだ脈流)を含んだ電源ではちらつきが発生するということです。50Hz の全波整流を行うと 100Hz の交流成分が発生しますが、平滑回路にチョークコイルを入れることにより劇的に交流成分を除去することができます。この事から、電源回路といってもピンからキリまであって、良質な電源回路を使用すれば「ちらつき」は発生しないということがいえます。

メーカーでは、これらの事も含めて様々な試験を行って商品化していると思いますが、ただ単にエコだからとか安いからといって飛びつかず、場合によってはこういう事も起こり得るということを認識して購入する際の参考にしてもらえればと思います。


CD製造技術の進化

Blu-ray Disc 製造技術の投入
1982年にCDの生産が開始されて以来30年の時を経て、某メーカーでは Blu-ray Disc 製造技術をCD製造に投入することに よって、よりマスターテープの原音に近い音で再生することができるようになった。2008年に「Blu-spec CD」、2012年に 「Blu-spec CD2」が完成されている。

「Blu-spec CD2」の特徴
①原盤材料に半導体製造用シリコンウエハーを採用
 ガラス原盤に比べ表面粗さは1/6に激減、欠陥も最小で、超安定カッティングに寄与
②記録層は、フォトレジスト(光記録)から、金属酸化物レジスト(熱記録)に
 正確な熱コントロールで、より理論値に近いピットが形成可能になり、ジッター量が約1/2に激減
③超高精度カッティングマシンによる超微細露光
 Blu-ray 用のカッティングマシンを使用することにより、トラックピッチの精度は約20倍、レーザービームの照射位置精度は約
 10倍に改善
④ダイレクトマスタースタンパー製造
 原盤から直接複数のスタンパー製作が可能(メタルマスター・マザーが不要)


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